外資系ママリクルーターの"勝手に採用論"

グローバル企業の採用担当をする中で考えた”採用の仕事”や”育児との両立”について綴ります

ダイレクトソーシングができる組織の作り方ー組織化編

外資系IT、コンサルティング会社でダイレクトソーシングが進んでおり、ダイレクト採用比率の高い会社では、①ソーサー、②リクルーターと役割を分け、①ソーサーは「人材プールの構築」、②リクルーターは「プールから募集中のポジションにあった人材を見つけ、採用決定につなげる」と分業しているケースがあります。

一方で、ダイレクトソーシング第一人者と言われる会社のインタビュー記事(*)を見ていても、全てのケースで分業しているわけではなさそうです。分業はどういった場合に有効なのかを考えました。

 

分業が向いている場合
①同じようなスキルの人を大量採用する場合(例:Java developerの大量採用)

 

②ポテンシャル人材を大量採用する場合(例:第二新卒

 

分業が向いていない場合
①特定の要件で、数名づつ、多くの種類のポジションで採用する場合(少数多品種型の採用)

 

②ハイクラスの採用の場合


ダイレクトソーシングでは、(1)スカウト時のターゲット選定(どんな人にアプローチするか)、(2)効果的なアプローチ方法の検討(どうしたら返信がくるか)
(3)応募意思の獲得(リクルーター面談での魅力づけ)を実施するフェーズがあり、選考通過状況を見ながらPDCAをまわして(1)〜(3)の精度をあげていく必要があります。
なので、分業する場合、ソーサーとリクルーターの情報連携が重要です。

 

同じようなスキルの人を大量採用する場合や、ざっくりした要件でポテンシャル人材を大量に集める場合は、ターゲット選定もしやすいですし、途中の変更も少ないので分業によるオーバーヘッドが少ないです。また、一般的にビジネス部門との連携が密なリクルーターの方がソーサーより部門の状況をよく把握していますが、大量採用の場合は一度スカウトテンプレート、面談スクリプトを作ってしまえば、ソーサーが直接部門と関わっていない場合でも一定レベルで応募意思の獲得につなげることができます。

 

一方で、少数多品種型の採用の場合は、多くのパターンでのスカウトテンプレート、面談スクリプトが必要ですし、選考の状況によりフォーカスポジションも都度変わるので分業によるオーバーヘッドが大きくなります。
また、ハイクラスの方の採用の場合は、それなりの経験・情報量をもったリクルーターでないと応募意思の獲得が難しいですし、スカウトの段階で「誰がスカウトをうつか」も大事になります。ハイクラス採用で分業する場合は、「候補者のリストアップのみ」という分業の方が良いと思います。

 

少数多品種型でも、スカウトのリストアップのみを安価で提供するRPOサービスの活用など、限定した範囲での分業は有効だと思います。
また、大量採用でなくても、至急採用しなくてはいけない場合は、期間限定でソーシングのみに集中してもらう人をアサインした方がよい場合もあります。

 

チームの体制やスキルによって、どんな方法が最適かは変わってくるので、それぞれの状況で最適な解決策を考え、採用数を最大化させる仕組みづくりが重要ですね。


(*)ダイレクトソーシング第一人者企業のインタビュー記事
https://www.dodadsj.com/content/190411_accenture/
https://www.dodadsj.com/content/170912_oracle/